2014年3月25日火曜日

 いよいよ春ですね。出会いと別れのシーズン。
僕も娘の卒業式に妻とともに着物で参加しました。

女性の着物はちらほらと見かけられましたが、両親ふたりとも着物を着ている家は自分たちだけ。
人と違うことが苦手な微妙な年頃の娘も最初は嫌がっていましたが、周囲に褒められるのを見て気を良くしたようです。

今回も妻は朝6時起きで、着付けには1時間半ほど悪戦苦闘していました。
その点、僕の要した着付け時間は10分。
手軽に楽しめるという点では、男着物って素晴らしいと思います。

女性着物は明るい色が多いので、とても華やかである一方、少しでも汚れがつけば目立ってしまって台無しです。
男着物は沈んだ色が多いため、少しくらいのシミはへいちゃらなのもある意味利点です。


とはいえ、やはり誂えて手に入れたような高価な一式だと、気持ちのダメージも大きいですよね。

今回僕ら夫婦は、それぞれリサイクルで手に入れた、全部で1万円もしないようなものを着ていきました。そのため、僕の正絹も裾あたりに幾つかの色あせが見られるし、妻の桜色の着物にも、よく見ると細かなシミがポツポツあります。

いろいろな人の目に触れましたが、これらを指摘する人はまずおらず、いつもどおりに好意的に評価を頂きました。着物そのものよりも、着ていることそのものを褒めていただいたような気がします。

もちろん着物は一点のシミもない美しさがあれば何よりですが、嗜好品と化してしまった現代では、自分たちの身の丈にあった程度の中と、それが許される場だけで着ればいいと思います。
せっかくの晴れの場で、着物のことを気にしたり、周囲に気を遣わせてしまっては楽しむどころではないでしょう。
着物という趣味を嗜むことは、何も、高価で高尚でなくても良いのです。


少なくとも卒業式という場には、僕らの着物でも全く問題はなく、この衣装で娘の門出に立ち会えて満足しています。

娘にも、無理な背伸びをせず、自然な成長をしてくれることを祈っています。


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