2013年11月12日火曜日

 先日、かねがね参加したいと思っていた、日本橋きもの倶楽部へ伺ってきました。
こちらはお店ではなく、月一度、人形町のビルの1フロアに開かれる着物好きの社交場です。


会場には日本橋帯座の即売をはじめ、着物のフリマや小物作りのワークショップ、遠方のお店の出張ブースなどがあり、お店の人や周囲のお客さんたちと気軽に着物の話題に花を咲かせることができます。


歩いて5分のところにあるイオリスクさんもブースを構えており、今回は幸運にもその店主であり「男きもの大全」の著者でもある早坂伊織さんが来場。
一緒に写真を撮っていただきました。


講演を拝聴したところ、本来、着物にまつわる格式や決まりというのは、現代人が思っているよりもずっと少なく、後から付け足されたり捏造されたりしているものが多いとのこと。

販売店や製菓店がチョコレートを売るために作った「バレンタインにはチョコレートを送りましょう」みたいな根拠のないルールがたくさんあり、しかも着物を教える人の都合によって言うことが違ったりするようです。
そういった、基準や理由の曖昧な着物の取り扱いが、実用や機能による理解と選択方法をおきざりに伝播してしまっていることが、着物市場の発展を妨げているということです。
そういえば、浴衣が単衣とどう違うのか訊いて回った時も、呉服屋によっていうことが全然違ってました。
着物が「なんとなく難しい」「よくわからない」という、初心者が越えられないハードルは、それが原因かもしれません。

しかし、僕は「だったらなおさら好きなように着てしまえばいいんじゃないか」と感じました。
どうせはっきりしないまま先人が色々後付してきたのなら、僕らにもその権利はあります。
一方で、着物を体験してその良さを知れば、やがてしっかりとした由来や知識を自ら調べたくなるのが男というもの。そういう人が増えることで分化の方向を立て直す事ができると思うのです。
以前妻が雑貨屋でオリエンタルな幅広のベルトを見つけた時「帯の代わりにこれを締めたら?(笑)」などと冗談で言ってましたが、意外にそれもアリかもしれません。

そんなインスピレーションや次の指標は、こういった場所での交流によって生まれます。
根付の固定方法にヘアピンを使うワザもここで教わりましたし、カジュアルすぎて外に締めていくには気後れしていた妻の手製帯が現代風の着物あることを公に教えてくれたのも帯座の工藤さんでした。


日本橋きもの倶楽部は、集合時間も解散時間もなく、ふらっと来ていつ帰ってもいい気軽さがあり、着物に興味ある初心者のかたが洋服で来てもOKです。
男着物の第一歩をこちらで飾ってみてはいかがでしょうか。

【日本橋きもの倶楽部】
会期:毎月一度
所在:東京都中央区日本橋富沢町5-3
(人形町駅A4出口から徒歩3分)
※次回会期や詳細等はwebサイトを御覧ください
http://nihonbashi-kimono-club.com/


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