2013年10月26日土曜日

 いよいよ着物が着やすい秋が到来した途端、台風が日本縦断ツアーを繰り返して単衣の季節もろとも連れ去っていきそうな今日このごろ、皆様いかがお過ごしでしょうか。


そんな季節の事情で、残念ながら洋服で、ですが、本日は人形町のイオリスクさんに伺ってきました。
こちらは「男のきもの大全」を執筆された早坂伊織さんのお店で、男による男のための男着物だけのお店になっております。


広くゆとりのある店内に厳選された男着物と各種アイテムがぎっしり揃えられており、なかなかお目にかかれない芸術と言ってもいい職人技の粋が手にとって吟味できるのが特徴。
通常の呉服屋では、素人はこういうものにとても近づけないので、大変勉強になりました。

パナマの雪駄や早坂さんプロデュースの男着物用バッグなども魅力的ですが、今回注目したのは前のエントリでもご紹介したデニム着物です。


こちらで見せていただいたのは、胸元や懐に大胆にポケットをあしらい、ベルトリングやボタンをそのまま残している着物の形をしたジーパンと言ってもいい逸品。
これらの意匠はそのまま機能するため、ベルトを通して着こなしをアレンジしたり、ボタンを止めてはだけるのを防げたりと、機能美というものを体現していると感じました。
何より着物の常識をくつがえすポケットの存在は、収納が皆無で物品の持ち運びに難のある着物ライフを一歩前進させており、新しい世代の着物のプロトタイプであると胸を張っているようです。
見ていて興奮が隠しきれませんでした。

このほか、天候対策として男着物用レインコートなど、かゆいところに手の届くアイテムが何でも用意されていて感激しました。
何もかもがさすがとしか言いようのない品揃えで、男着物に必要な物はほぼ全てここで手に入ってしまいそうです。


一部リサイクルがある以外は新品の品質を正当に評価しているお値段であるため、当ブログのように安く手軽な方法によって飽くまで手軽な着物ライフのエントリーを提案している段階では手が出ないものも多いですが、着物の道に足を踏み入れてその価値が理解できた時、金額を考えずに妥協しないで着物を探したいというなら、下手な呉服屋よりもこちらのお店が適していると思います。

着物を着て落語を楽しむようなイベントも企画されており「着物好きが気軽に集まれる場にしたい」というお店の方針とのことです。
素人ではあっても、先に「いつかは手に入れたい」と思うものを身近に感じてモチベーションを上げるために訪れるのもいいですよね。

僕も一発、苧麻(からむし)の帯でも!といきたいところでしたが、隣にいる妻の目と、そもそもない袖を触れない懐具合は認めざるを得ません。


そこで、他では見たことのない襦袢の衿ドメを購入しました。
これはS字型に襦袢の衿の重ねた部分を挟み込んで固定し、着崩れを防止するアイテムです。
男着物を常用しているからこそわかるアイデア商品ですね。
まるでタイプンのような金属光沢と象形文字の刻印が、アクセサリとしても所有欲を満たしてくれます。

早く雨がやんでくれないかなあ。


【イオリスク】
営業:11:00-19:00(水・木曜定休)
電話:03-5643-6177
所在:東京都中央区日本橋人形町3-5-9 東京山喜人形町ビル5F
(人形町駅A5番出口から徒歩2分)
http://www.iorisq.com/index.html


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