2013年9月2日月曜日

 前々回のエントリの続き。今回はいよいよ着物を購入するという段階に入りましょう!

例によって部屋のドアを開けてスタートしますが、まず、メモとペン程度の筆記用具をご持参ください。
そこに予め下記のような記述をしておきます。

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長着 (  円)
襦袢 (  円)
帯  (  円)
足袋 (  円)
履物 (  円)

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この五点は、いわゆる「着物」スタイルに必要なひとそろいです。
このメモを持って、前回お店巡りをしたなかから、直感的に好印象だったお店を適当に選んで入ってください。
現段階では予算は特に決めなくていいです。

お店についたら必ずメモを取り出し「ここに書いてある一揃いを、初心者向けに安く揃えたらどのくらいになりますか?」と訊きます。

店頭でのやりとりにおいて、その内容が記録されているかそうでないかというのはものすごく重要です。
お店は、記録が残るという点からいい加減なことは言えないし、お客は、その情報を持ち帰り改めて客観的に評価できるからです。
また、メモがあると、価格調査の意志をスムーズに伝えることができるのが大きな利点。「お客さんが着るんですか?」と訊かれても「そうなんですけど、詳しい人間から"値段聞いて来い"って言われてて」と切り返せば、いきなり売り込まれたりする心配はないでしょう。

で、それぞれの値段や現物を見ての感想などをメモします。購入について疑問もこの段階で訊いておくといいです。



ここから先はお店次第ですが、通常の着物屋で上記のやりとりを行った場合、僕の予測では

長着 2万円~
襦袢 5000円~
帯  6000円~
足袋 3000円~
履物 8000円~

くらいになるのではないかと思います。合計5万円弱というところでしょうか。
初めて買う嗜好衣料としては、やっぱ高いかなーって思うでしょう。

しかしここでそれは顔に出さず、一旦店を出ます。

前回同様、他のお店でも同じように訊いてメモして、いろんな組み合わせを手に入れて検討してください。
値段だけでなく、長く付き合えそうなお店かどうか、相談のために足を運ぶのに便利かどうかなど、手に入れた情報は、初心者として着物を長く楽しむことを想定した上で購入材料にしてください。

もしも納得ができるのであればこの段階で購入してしまってもいいと思います。
この値段で買える着物一式であれば、おそらく長着は正絹の新品で、柄などもある程度は選べるはずです。"とりあえず"の間に合わせではなく当分使いつづけられる組み合わせでしょう。
何より、一揃い全部購入したお店なら、着方や手入れの方法などの着物オーナーとしての質問が遠慮無くできるというメリットも大きいですしね。
安くない買い物かもしれませんが、着物は値段と品質がきちんと比例する品であり趣味です。

ただ、やっぱり1万円札5枚は気軽には出しにくい価格というのが正直なところではないでしょうか?

着物という品物が作られるまでの手間を考えると妥当ではあるのですが、懐具合と本質の理解が相容れるには長い時間が必要です。

まずはそれを理解するためにも、第一歩をやや肌寒い懐でもって体験したいという諸氏に向けて、次回、もう一歩進んだ「安く手に入れる」方法をご紹介したいと思います。


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