2012年10月31日水曜日

着物って難しい?

 皆さんが着物に対して持っている印象の多くを難しそうってのが占めてると思うんです。

そうですね。確かに難しいですよ。着物。
このブログ書いてて、着物についてまともに書いたら本が一冊簡単に出来上がってしまうと感じてますし、実際そんな本はすでに何冊も出ています。

が、着物を着るからと言って着物のすべてを覚える必要はないんですよ。

携帯電話だって買ったら最初に取扱説明書をぜんぶ読破する人いないでしょ?
要は、自分が使うのに必要なことだけ覚えればいいんです。


必要なのは主に、手元に着物の最も基本的な扱い。
着るのに必要な帯の結び方や、脱いだ後の手入れやたたみ方…。

着物の本を書けるような難しい話は後回し、というか、場合によってはずっと知らなくてもなーにも困りません。

でも、一通り覚えたら、ちょこっとずつ脇の知識も覚えていくと、もっともっと奥の深い着物を楽しめるはず。
僕も妻に尻たたかれながら絶賛勉強中なので、一緒にやっていきましょう!

2012年10月27日土曜日

福服 浅草店

 妻と浅草に出かけた日、中古着物を扱うお店に入ってみました。
いろんな着物を見てみたいとは思うのですが、呉服店はまださすがに敷居が高いので…

おじゃましたのは浅草の福服さん。
店構えは小さいながら、多くの在庫を取り揃えて雑貨屋のような雰囲気です。


市場を反映してほとんどが女性物ですが、端っこの方に男性のものも少しだけ置いてありました。比率は9:1ってとこでしょうか。

在庫を見ていて、男性の着物って柄がほとんどないって事に気づきます。色も、よく言えばシック、率直に言って地味。
男性が質実堅強に生きた時代の服ですから仕方ないことなんでしょうね。

着物のほか、羽織や襦袢や袴などそれぞれ1000円~くらい。
中古だけに微妙にほつれや傷なんかがありますね。
どの程度までが妥協点なのかとかどういうものが質がいいのかというのはまだまだ僕には判断つきません。

今回は伸縮できる衣紋掛け(1000円弱)を買っておきました。
脱いだ着物は、両袖を広げて左右から棒を通し吊っておかないと皺になってしまうそうなので、これは必須アイテムです。


【福服 浅草店】
営業:10時~19時(定休日なし)
電話:03-5826-1544
所在:東京都台東区浅草1-33-3タケイシビル3階
(浅草駅1番出口から徒歩1分)
webサイト


2012年10月24日水曜日

男着物(中古)の値段


 さて、妻から着物を受け取ったとき第一声で「これいくら?」と不躾に訊いてしまったことを補足します。

これは着物というモノが自分にとって全く縁遠く、そして高級なものだという先入観からの脊髄反射です。ですよね?

僕は着物を描くけどリアルに着物をたしなむ経済事情はハッキリ言って持ち合わせていないのです。
後でとんでもない額の請求書がデスクに置かれているのを見つけて平常でいられるほど心臓も強くありません。

しかしながら妻から返ってきたのは

「1000円」

という意外な金額。
Tシャツよりも安いの?これ?

驚く僕にドヤ顔で妻は次のような事情を教えてくれました。

ちゃんとした呉服屋で新品を誂えるならともかく、中古市場に出回っている男着物は、持ち主が他界したり着なくなったりして不要になっているうえ、若い男性が着ることもなくなっているためほとんど捨て値状態なのだとか。

この着物も正絹という、絹でできたなかなかにいいものなのですが、床に置かれた段ボールに放り込まれて売られていたそうです。むしろ帯(新品)のほうがずっと高かったとか。

ただ、そういう中古の着物を着るには、着物の丈と自分の身長が一致しなければいけません。

僕は166cmと現代の男性の中では低い部類に入りますが、それは中古で並んでいる着物を着ていた頃の日本人としては平均か少し上程度なので、在庫が比較的豊富なのだそう。
むしろ現代の平均身長170cmあたりになるとそれがぐっと減るようです。

つまり背の低く寸胴な古式ゆかしい日本人体形の男性こそ安く楽しめるのです。


そう!着物の世界にこそ、舶来文化のスーツやジーンズを着てイマイチな感じだった僕とかあなたの風が吹いているのです!

ともに、寸胴で味わった悔しさを、着物で覆しましょう!

2012年10月22日月曜日

着物で出歩いてみた

「ちょっと表歩いてきなよ」
「え」

帯結んでくれた妻の一言に言葉がつまります。
わかっちゃいるんですが、アレです。やっぱ恥ずかしいんですよ。目立つもん。たぶん。

「みんなで競って目立つ」場なら気後れしないんですけど、積極的にコスプレ楽しむようなタイプじゃないんで・・・。そう、ちょっとしたコスプレっていうのが適切な表現かもしれません。

まあ、着物着るなら遠かれ近かれ外歩くってのは必然です。
だったらいつやるか?今でしょ、てわけで勇気を振り絞りました。

こういうのは最初に人目についた後は意外に慣れるものですが、僕の場合、ドア開けて数秒で同じフロアの住人に見られて洗礼終了。
はい、慣れました。割とチラ見で済んだせいかも。変にジロジロ見られたら意識してたろうなあ。

さすがに靴ばきだと台無しなので、ランニング用の5本指ソックスに、同じくランニング用に作ったワラーチという草履で見た目を修正。犬の散歩を兼ねて、初めての着物お出かけです!


エレベーターホールでも帰宅してきた同じマンションの住人に出会って軽く会釈。
「お、着物」という視線が今度はちょっと快感!

エントランスを出ると、10月の風が吹き抜けていきました。

…寒い!寒いよコレ!

そこそこ暖かい日のはずなのですが、布一枚(パンツは履いてます)ではさすがに厳しい!
あと、ズボンに比べて足が開かないので必然と小股になって歩きにくいです。

愛犬がどんどこ先に進んでいき、引っ張られてよろめきました。
オマエちょっと待て!待ってください。

いやいや、これは肌着が要るなあ。あと、歩き方も洋服と同じじゃダメそう。
大股で歩くと裾が開き、毛むくじゃらの足が丸見えになるので恥ずかしいです。
なんとなく想像はしていたのですが、ずばりそのとおり。

寒さもそうだけど、歩き方や仕草も洋服のそれとは違うってこと、読んで字のごとく肌で感じました。

すべての動作において、着物には着物なりの流儀があり、それを「所作(しょさ)」というそうです。
ただ着るだけじゃなく、それも覚えないと美しい"着こなし"には至らないんだな…。

2012年10月21日日曜日

男着物との出会い

 出会いは突然でした。いやほんとに。

 ある日、妻が「はい、プレゼント」と買ってきてくれたのは、四角く畳まれた地味ーな色の布生地と、ビニールパッケージに入った細長い布。

これが僕と着物との出会い。

着物は帰宅の道すがら駅前で閉店セールをしていた中古着物専門店で見つけたとのこと。
帯はなかったので新品を合わせて買ってきてくれたそうです。

年配の好事家が着ているのをたまに外で見かけることはあっても、手に取って実物見たのは恥ずかしながら人生で初めて。
手触りはさらっと冷たく、ぼんやり光沢を放っていて、かすかにおじいちゃんちの箪笥でかいだ懐かしい匂いがしました。

広げてみてのだ言いち印象は「うわ、でかい!」
男性用のワンピースという様相で、袖が垂れている分、ものすごく大きく見えます。あと少し重い。

着方は腕を通して体をくるむだけ。
ズボンと違って股下がスースーします。スカート穿いたらこんな感じかな。
帯は妻に結んでもらいました。

おお…これは…なんというか…サザエさんちの波平さんみたいです。

あとから聞いたところ、正絹という絹を使った上等な着物ということでした。
ただ、中古ということで、あちこちほつれやらキズみたいなものがちらほら。


「着物の絵を描くんだったら自分も着てみたら?」と妻。なるほど言われてみれば確かに。

でも、格闘漫画家が格闘家になったりSF作家が宇宙飛行士になる必要もないないよね、という言葉はぐっと飲み込んで、紆余曲折ありこのようにブログのネタになっているというわけです。

2012年10月20日土曜日

このブログについて

こんにちは。シバヤマです。
イラストレーターをやっております。
ひょんなことからごらんのとおり着物女性の絵も手がけるようになりました。

その際、着物についていろいろ調べているうちに、いつの間にか自分も男着物に親しみ、気づいたら着ていたというわけです。
そしてそれがまた楽しい!

「でも着物って高そうで難しそうじゃん」
という、かつての僕のように思っているあなた。それが意外とそうでもないんです。

このブログでは、僕の体験談を元に多くの男性に着物を着てもらえるような、そして女性にも男性から見た着物ってどんなものかを知ってもらえるきっかけを伝えたいと思います。

前提として財布事情が芳しくない僕の体験なので基本は安く簡単に着ることがテーマなのですが、一番伝えたいのは気軽かつ手軽に着られるということ。
男着物仲間を増やしていくことも密かな狙いです。女性だけでなく男性もみんな着物を着ないともったいないですよ。

「男子、着衣にこだわるべし」
ブログのタイトルはそんな(勝手に作った)言葉から取りました。